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社長メッセージ

「SDGsの達成に貢献する」というパーパスへ向けて、全社一丸となって、持続的な成長とサステナブルな社会の構築に力を注いでいきます。

新たな変化を実感した一年

代表取締役

社長執行役員

高原 豪久

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響拡大により、加速した「ニューノーマル」な時代の中で、全世界の人々が日々生活を送っています。コロナ禍の1年目にあたる2020年はマスクやウェットティッシュなどの供給不足が起きましたが、それらの需要と供給のバランスが落ち着き始めた2021年には、また新たな様相が見え始めてきました。
具体的には、高機能・高品質なマスクの需要が世界各地で拡大し、多くの人々がより安全、より安心なものを求める動きが強くなりました。また、在宅時間が長くなったことで家族と過ごす時間が増え、育児や介護への向き合い方や価値観に大きな変化が起きています。コロナ禍を契機に各々が自分を見つめ直す時間が増えたためか、「より自分に合った商品・サービスを選択したい」という意識が高まっており、特に日本においては、家族の中でも一人ひとりのニーズに合わせて商品を細かく使い分ける傾向が表れています。
猫や小型犬を中心に、新たにパートナー・アニマル(ペット)と過ごし始める若年層も増えています。このような新規飼育者はパートナー・アニマル(ペット)の健康への関心が非常に高く、愛猫・愛犬にとってベストな高付加価値品を求める傾向が顕著です。また、猫用トイレの消臭ニーズはグローバルに高まっており、猫と飼い主が共に快適に暮らすことのできる生活環境が求められています。
ユニ・チャームは、このような市場の変化を素早く捉え、お客様の暮らしの質の向上に寄与する商品・サービスの提供に努めてきました。今後も変化に迅速に対応し、お客様の期待に応え続けていくためには、より一層、消費者のニーズに敏感になる必要があります。
加えて、消費財メーカーである当社は、気候変動、プラスチックごみなどの自然環境問題や、人権問題などの社会課題に対して、事業を通じて真摯に対応しなければなりません。特に気候変動に関しては、2021年11月に開催された「国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)」において、産業革命以前に比べて、世界的な平均気温上昇を1.5℃とする目標が確認され、当社においても主体的な取り組みが欠かせないとの認識を強めています。

ユニ・チャームのパーパスは「SDGsの達成に貢献すること」

当社は、パーパス( 存在意義)を「持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献すること」と定めています。換言すると、社会の課題を解決する事業を展開することで価値を創出し、持続的な成長の実現を目指しているのです。

パーパスである「SDGsの達成に貢献すること」を具体化するために、当社が全社員で取り組んでいることは、「ミッション:『共生社会』の実現」です。「共生社会」とは、いわゆる生活弱者に加え、加齢や疾病、出産、生理などにより一時的または一定期間、不利を抱える状況にある人たちまでを視野に、どのような状況においても“その人らしい”生活が送れるよう、一人ひとりが自立しつつ、程よい距離感で、それぞれができる方法で支え合う社会です。

当社のようにグローバルに事業を展開する企業は、国益をはじめとするさまざまな境界を越え、「利他の心」を持った活動が可能であると私は捉えています。当社の目指す「共生社会」の実現に向けた企業活動は、正にこれを実践するものであり、当社だからこそできる価値創造であると自負しています。当社は、消費者の一生を通じて、その時々のライフステージに合った商品・サービスを提供し、人々の生活や社会を守り、支えています。この守り、支えていく対象を、消費者だけでなく、環境問題や社会課題へと広げていくことで、持続可能な地球環境・社会の実現に貢献します。

「共生社会」実現へ向け、中長期ESG目標「Kyo-sei Life Vision 2030」を推進

当社は、「2050年に『共生社会』が実現される」と仮定し、「理想の将来像」を策定しました。具体的には、「個人・社会・地球環境の健康がバランスよく保たれている『共生社会』の実現」された世界において、ユニ・チャームは「全世界の赤ちゃんからお年寄りまで全ての生活者とパートナー・アニマル(ペット)が、心身・社会・地球の健康を実感できる社会インフラを提供する企業」でありたいとしました。

この「理想の将来像」と現状のギャップを埋めるアプローチとして「全世界への進出」「商品・サービスの進化」「パーソナライズ化」「サーキュラーエコノミー」の4つを念頭に、513のロングリストからマテリアリティを整理・検討し、中長期ESG目標「Kyo-sei Life Vision 2030 ~ For a Diverse, Inclusive, and Sustainable World ~」(以下、「Kyo-sei Life Vision 2030」)とし、2020年10月に発表しました。

この「Kyo-sei Life Vision 2030」は「私たちの健康を守る・支える」「社会の健康を守る・支える」「地球の健康を守る・支える」の3つに、「ユニ・チャーム プリンシプル」を加えた4つの分野で構成されており、それぞれに5つ、合計20の重要取り組みテーマ・指標・目標を設定しています。

まず「私たちの健康を守る・支える」では「育児生活の向上」「健康寿命延伸/QOLの向上」などを重要取り組みテーマとして設定しており、この一環としてマレーシア・シンガポールでデング熱のウイルスを媒介する蚊を寄せ付けない紙おむつを開発し、2020年から販売しています。また「性別や性的指向等により活躍が制限されない社会への貢献」として中国ではショーツ型生理用ナプキンや、温感素材を使用した生理用品を展開しています。さらに高温多湿のASEAN諸国においては清涼感のあるつけ心地を実現したクールナプキンが、インドではバクテリアの発生を抑え臭いにも対処する生理用ナプキンが好評を博しています。このように、人々の「不快」を察知し、「快」へと変えて生活を総合的にサポートするこうした高付加価値商品・サービスを展開することにより、それぞれの国・地域の人々が自分らしく暮らしていける「共生社会」の実現を目指します。

次に「社会の健康を守る・支える」では「NOLA & DOLAを実現するイノベーション」「持続可能なライフスタイルの実践」などを掲げています。これを実践するためには、新たなニーズを発見し、それに応える商品をスピーディーに市場に投入し続ける必要があり、デジタル技術も積極的に活用しています。

2021年には「DX推進本部」を新設し、「デジタルスクラムシステム」を開発しました。「デジタルスクラムシステム」とは、遠隔地からでも消費者の表情の変化や、商品の品質を10分の1ミリの精度で把握できる当社独自のリモート環境です。このシステムによりCOVID-19の感染拡大が続く中でも各国・地域での綿密な市場調査や現地研究員との意見交換が可能となり、的確に消費者のニーズを反映した商品開発ができるようになりました。また、現地設備の点検整備、検証も遠隔地から行うことができ、生産設備稼働の遅延の防止や、新製品生産設備の導入検証も可能となっています。今後はこのシステムを活用して、グローバルかつスピーディーに消費者の「不快」を「快」へと変えていくことに注力していきます。

そして「地球の健康を守る・支える」では「環境配慮型商品の開発」「リサイクルモデルの拡大」を掲げ、その一例として「使用済み紙おむつのリサイクル」に取り組んでいます。2015年にスタートした本プロジェクトでは、回収した使用済み紙おむつを洗浄・分離し、取り出したパルプに独自のオゾン処理を施して、排泄物に含まれる菌を死滅させ、未使用のパルプと同等に衛生的で安全なパルプとしてリサイクルする「水平リサイクル」システムを実現しました。従来のように使用済み紙おむつを焼却して新たな紙おむつを未使用のパルプから作る場合に比べ、このシステムは温室効果ガス排出量が大幅に削減できます。また、介護施設向けの紙おむつ『ライフリー』の一部商品の材料に、衛生的で安全なリサイクルパルプを配合した商品の実用化に取り組み、2022年5月に販売に至りました。

ただし、サーキュラーエコノミーは一企業の活動だけで実現できるものではなく、各自治体や消費者の意識の変革も求められます。当社は、広範なステークホルダーと協力しながら社会を大きく巻き込んだ展開を図り、積極的にサーキュラーエコノミーの社会実装をリードしていきます。

2050年・「共生社会」の実現に必要なアプローチ

「共振の経営」「OODA-Loop」メソッドで「Kyo-sei Life Vision 2030」を推進

「Kyo-sei Life Vision 2030」は、全ての社員が当事者意識を持って自ら考えながら各テーマに取り組むこと、そうしたボトムアップの取り組みの結果としてグループ全体の目標達成へとつなげることを企図したものです。社員一人ひとりの取り組みを重視するこの方法は、当社ならでは経営手法である「共振の経営」と環境変化に俊敏に対応することを可能とする「OODA-Loop」メソッドに基づいています。

今後も当社はSDGsの達成に貢献し、「共生社会」を実現するために、全社一丸となって取り組みを進め、中長期的な目標を着実に達成し、持続的な成長とサステナブルな社会の構築に力を注いでいきます。私自身も、社会の変化を見据え、「共振の経営」を通じてユニ・チャームグループの変革をけん引していく決意です。

2022年5月

ユニ・チャーム株式会社

代表取締役 社長執行役員

高原 豪久

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